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2011年01月19日

その3 被害の実態を垣間見る

 私は学生時代民俗調査でお世話になった住用町川内集落にお見舞いに行った。

 川内は住用の内海から約2km内陸部に入った所にある。野茶坊の岩屋とふなんぎょの滝があることで有名な集落だ。

 区長宅に伺うと、玄関前が土砂崩れの跡。数メートルずれていたら家は壊滅的な被害を受けていただろう。集落のメインストリートから山側の住宅は無傷であったが、下の住宅は川の氾濫により水に浸かった。

 被害状況を克明に写真に撮っていた区長に、その写真を見せていただいた。湖と化した集落の一部に何か浮いている黒いものが見えた。伺うと牛が流されたという。牛舎も浸水し、牛も水に流され、集落の人たちが手伝って助けたという。生命力の強い親牛は助かったものの、子牛は命を落としたそうだ。

 私たちが調査時に寝泊りさせていただいた生活館も床上浸水した。昨年改修したばかりの床には拭いても落ちきれない浸水跡のシミが残っていた。

 また、Aさんのお宅で、厚さ15cm、長さ30cm、幅20cmほどの土の塊を見せてもらった。この土の塊はコンクリートや石のように重く硬い。

「これは何だと思う?」と問われ答えることはできなかった。これは、今回の災害でタンカン畑に積もった土砂の塊の一部だそうで、みんなに見てもらいたいから持ってきたとのことだった。

 この粘土の塊がタンカン畑一面を覆ったそうだ。これでは、タンカンの根が呼吸できず、うまく生育できなくなるそうで、もうたわわに実っているタンカンも水が被り、畑が粘土状の泥で覆われていては、来年2月のタンカン収穫も出来なくなるのではないかと心配していた。それ以上に、この泥の撤去ができるのだろうか、そして、今後もこのタンカンの木が生育していってくれるのだろうか、今年ばかりの問題ではないようだ。

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Posted by クバァユ・プロジェクト at 21:47│Comments(0)奄美豪雨災害について
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